組合宣言
2020年コロナの時代、これほど介護福祉職労働者の待遇の悪さを顕著に感じたことはない。
私たちの仕事は障害をもつ人、老人や死に迫っている人と共に、人生を前向きに生きることの、そのサポート役としての職業である。
言わば、社会になくてはならない社会的事業である。
コロナの流行下で、私たち介護福祉職労働者は、利用者への感染を常に意識しながら、自らが感染しないことを最大の努力目標としてきた。
感染が疑われる利用者であっても、自らを奮い立たせ共に生きることを選んできた。
2020年2月全国立学校の閉鎖が決定し、障害を持つ子供の自宅待機、リモートによる自宅での労働の広がりにより、介護福祉職職員の仕事は激減した。
月に20万円近く収入を得ていたのに、5万円位に減収になった臨時職員もいる。
同じ公的でかけがえのない労働をしながらも、こんなにも様々な差別や格差を感じさせられた事はかつてなかった。
そもそも、介護福祉職は介護保険・支援費制度の設立によって公の仕事から民間に委託される社会の変化に伴い、委託料の切り下げや働く労働者の賃金の低下へと帰結した。
こうした環境の変化によって、介護に誇りを感じて介護福祉職を選んだ若者たちは離職し、介護福祉士を育成していた専門学校も定員割れで閉鎖するところが拡大した。
いつのまにか介護・福祉職は安くてキツい職場としてイメージ化された職業に変わってしまった。
国は、介護福祉職職員の離職が、事業所と職員の資質であるかのように結論付け、職員に直接賃金として反映できる処遇改善費を導入し、その一方で職場の労働のあり方まで介入している。
しかも、国民一人一人が求める介護、介護福祉職や障害を持つ人たちや老人、家族との意見・考えの積み重ねではなく、国と一部の有識者によって、介護技術や介護のあり方を一方的に取り決めた。
こうした結果が、介護福祉職の誇りをずたずたに切り裂き、離職が止まらないばかりか、自殺者も増えている。
私たち介護福祉職労働者の要求は、誇りを持つことのできる賃金の保障と介護報酬の引き上げである。
私たち介護福祉職労働者は介護福祉職の誇りと権利の復権をかけて、ここに介護福祉職ユニオンを結成することを宣言する。